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外国為替市場の第1四半期総括と第2四半期の見通し

第1四半期外国為替総括と第2四半期の展望

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第1四半期のトレーディングは過去の話となりました。この期間は若干の例外があったものの、特徴としてスローペースでした。以下のレポートでは第1四半期をレビューし、第2四半期に想定されるテーマを提供します。

通貨に関する限り、第1四半期で最強の通貨はニュージーランドドルでした。全ての主要通貨に対してニュージーランドドル安となりました。上昇はニュージーランド準備銀行の利上げにより支援されており、現在から年末までの間にさらに100ベーシスポイントも可能性があります。

第1四半期で最弱の通貨はカナダドルでした。この通貨は第1四半期全ての主要通貨に対してカナダドル安となりました。ニュージーランド準備銀行のホイラー総裁は利上げを行い、さらに措置をとることを表明していましたが、カナダ銀行のポロズ総裁は2014年に利下げの可能性について言及していました。

第1四半期の2番目に強い通貨は豪ドルでした。第1四半期に、ニュージーランドドルを除き、全ての主要通貨に対して豪ドル高となりました。この通貨はオーストラリア経済の資源セクターを引き続き、低迷させた要因となった中国経済の鈍化への移行があったのにも関わらず、上昇しました。しかし、このところの強い住宅市場は、トレーダーに中央銀行が間もなく引き締めを行うかも知れないという懸念を与えています。

第1四半期で2番目に弱い通貨は米ドルとなりました。 米ドルはカナダドルの例外を除き、第1四半期の全ての通貨に対して下げています。この弱さは、部分的には極端な天候の状況による第1四半期の成長の鈍化によるものかもしれません。それは最近の米国からの顕著な資金流出によるものかもしれません。これは、月間のネット長期TICフローのデータから明らかです。(下記チャートを参照)一般的に、海外の資金は米国の多額の貿易赤字から米国に資金の流れが戻ります。しかし、そのバイアスは中央銀行(その他)がドルのエクスポージャー軽くしたため、反転しました。(ロシアの緊張と制裁も資金の流れの助けにはなっていません。)

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対ユーロ米ドルは、Fedによる2回の追加の緩和縮小と今後の約束があったのにも関わらず、基本的に変化しませんでした。(-0.2%の下げ)EUにおいては、ECBのドラギ総裁らは回復が脆弱であると呼び、さらに緩和を勧めるために「あらゆる利用できる措置」を取ることを認めています。米国の成長はEU圏よりも高いままであり、雇用は低い状況です。両地域各国において2%のターゲット以下のインフレ率であり、ディスインフレの問題を抱えています。EUのインフレは前年比CPIが現在、0.7%で低い状態であり(今後下げると予想されている)、米国の前年比CPIは1.1%です。こうしたファンダメンタルにもかかわらず、ユーロは第1四半期に米国と同程度に留まりました。

問題は、「なぜか?」ということです。

1つには、EU加盟国での株式市場は第1四半期における米国株式よりも相対的に堅調でした。上昇は、4.3%上昇したスペインのIbex指数、2.2%上昇したフランスCACX指数、そして1.7%上昇したEuro Stoxxが牽引していました。(下記チャートを参照)一方、第1四半期にダウは-0.7%下げ、ナスダックはわずか0.5%上昇、そしてS&Pは1.3%の上昇でした。これが米ドルからユーロへ資金の流出に影響を及ぼしていたのかもしれません。

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他の理由は、スペインのような周辺諸国における債券市場があり、イタリアの国債の価格は急上昇/イールドの下落となりました。(下記チャート参照)低いイールドからの刺激はEUにおける弱い関連国に恩恵をもたらし、そのため、将来の成長の見通しを固めることになったと思われます。(それが7%であったのはそれほど前ではありません。)    全体として、ほとんどの国のイールドは第1四半期に下がりましたが、高いイールドの欧州諸国の国債の動きは、ユーロへの資金流入を促進した大な下げに寄与しました。

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日本円は第2四半期に高値調整

第1四半期は豪ドルとニュージーランドドルを除き、ほとんどの通貨で円高となりました。

日本円は2013年に、アベノミクスがフルに施行され、最弱の通貨でした。しかし、第1四半期は、刺激策のペースが安定し、施行されたばかりの消費増税からの不確実性が2013年からの日本円安からの流れを変える上で役立っていた可能性があります。

加えて、日経平均は第1四半期は-9.0%であり、最悪のパフォーマンスの株式市場でした。    日経平均が56%上昇していた2013年に、急騰の理由の一部は円安でした。日経平均が第1四半期に下げ始めた時に、このことが日本円の反転に寄与していたかもしれません。

第1四半期におけるボラティリティの低下

第1四半期において明白であったことはボラティリティの欠如でした。下記チャート中で核となる赤いチャートは、第1四半期における主要通貨ペアの安値から高値までのトレーディングレンジを示しています。核となるチャートの周囲にある青色のチャートは、2008年に遡る主要通貨の過去の四半期ごとのレンジを示しています。過去の低いレンジは、ボラティリティが少ないトレーディングの環境と一致しています。

EURUSDの490ピップスのトレーディングレンジは2007ン円の第2四半期以来の1四半期での最少のトレーディングレンジです。(416ピップスはこのチャートには表示されていません。)事実、その四半期GBPUSDのレンジはEURUSDの記録で3番目に低いものでした。

USDCADは、その月に最大の安値から高値までのトレーディングレンジでしたが、その動きのほとんどはこのペアが上昇トレンドとなっていた1月に来ていました。

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第1四半期に低いボラティリティとなった理由

第1四半期に低いボラティリティとなった理由とは何か。

  1. Fed/中央銀行からのサプライズが無い Fedは、1ケ月100億ドルの緩和縮小を行うこととしており、引き締め政策は2015年のいずれかの時点になる可能性が高いです。(回復が続くことを前提)ドラギ総裁は、毎回の主要記者会見において、ほとんど同じことを述べています。スイスからのストーリーも同じままです。日本は、トレーダーが「次に何を行うか?」を考えながらという状況の移行期にあります。英国ではこのペアは上の1.6000レベルに向かっており、値動きの高さに驚いているようです。第1四半期の値動きは、政策変更の恐れ、あるいは政策の変更がある国に刺激されました。
  2. ドッド・フランク法とその他の規制 ドッド・フランク法の規制は引き続き、金融機関のリスクテイクを下げ、規制遵守に費やす時間とコストを増大させています。
  3. スキャンダル Liborと外国為替の中値決定のスキャンダルは、経営引締めとしてより保守的なリスクテイクとなっていきました。直面しましょう。4PMのロンドンの外国為替中値決定は市場へのエネルギーを増加させるものでした。現在は「中値決定」は「中値決定されず」ということ、そうしたことが消えてしまいました。
  4. 解雇されたトレーダー 主要銀行で解雇された多くのトレーダーは、市場から専門性のレベルを奪ってしまいました。新たなトレーダーは怖がっており、彼らのボスも然りです。
  5. 不信感 市場は多くの乱高下の後に、市場の動きに不信感を抱いています。   それは市場が乱高下し、同日内に決着をつけているように思われます。そうした動きは「トレンドのような」動きに対して不信感を抱かせ、その代わりに、トレーダーにレンジ取引を推奨しています。
  6. 限界点の放棄 「閾値」からの乖離することは、本当に次が何であるのかということについて市場を混乱させます。

トレンドが無く/低いボラティリティのトレーディングはトレンドが発生し、よりボラティリティが高いトレンドに移行する傾向があります。しかし、上記の理由から、市場は様々な金利政策に至るより明確な勝者と敗者が出てくるまで泥沼にはまっているのかもしれません。

第2四半期のトレーディングにおけるテーマ

第2四半期に入ると、以下に想定されるファンダメンタルのテーマがあります:

1.米国。冬の凍結は、春の雪解けに変わる成長はどの程度堅調なものとなるのか。   雇用は2013年平均で19.4万人でした。直近の3ヶ月は平均15.4万人でした。18.0-19.0万人の月間雇用増がFedにとって「ボギー(標準打数)」となると思われます。Fedは継続して雇用増となるトレンドを期待しています。

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もちろん、イエレンFed議長は、労働参加率、離職率、失業期間、パートタイム労働者の内、正規雇用を希望する者、様々な人口統計のセクター間の相違(例、若者、黒人、大卒、高卒等 – 以下のチャートを参照及することで、ガイダンスの問題点を指摘しています。

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今日の終わりに、市場は厳しい冬が雇用増加を抑え、その後に全ての雇用対策(及び全ての経済リリースも)での改善を期待してます。Fedを含む多くが、素早いリバウンドを予想しています。どれだけ堅調なリバウントとなるかで、違いが分かります。第2四半期の米ドルのストーリーを描くことが可能となるでしょう。強いリバウンドとなればなるほど、米ドル高となります。弱いリバウンドであれば、米ドル安となります。

2.移行過程にある日本 4月1日に施行となった消費増税は成長の影響を見極めるため、注目されています。その影響は短期的なものとなるのでしょうか。増税前の消費増は第1四半期にどのようなものであったのでしょうか。第2四半期の成長はどうなるのでしょうか。GDP成長は、2013年第1四半期と第2四半期の手堅い成長の後に、2013年の第3及び第4四半期に減速しました。成長は再度、次第に回復し始まる必要があります。

成長が鈍化した場合、刺激策が出てくるのでしょうか。日経平均は、第1四半期の-9.0%の下落から回復するのでしょうか。現金収入は最終的に日本で高まって来るのでしょうか。(下記チャートを参照)収益が下がってきており、それは必要とされる国内の支出にとって良い事ではありません。

株式市場の下落、増税、インフレ率の上昇と収益の停滞は成功や財政赤字削減のレシピではありません。そうだとしても、それは日本円にとってどのような意味があるのでしょうか。世界が混乱に陥った時に、日本円は「安全な退避先通貨」としてせり上げられていました。第2四半期(2014年)にそのレッテルを失うことになるのでしょうか。

全てのこうした疑問に対して第2四半期に答えが見つからないかもしれませんが、今後半年以内には確実に分かるはずです。

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3. ドラギ総裁とECB.

ドラギECB総裁とECBはは2013年5月に利下げし、驚きの動きとして、2013年11月の6か月後に緩和を行いました。6か月間は、ECBが経済への以前の動きの影響を評価するために利用する算出ベンチマークなのでしょうか。言い換えれば、ECBはロボット的に以下の事を述べているのでしょうか:

「我々は6か月前に緩和し、その影響は予想した通りではありませんでした。我々は、さらに緩和を行う必要があり、その前に成長が上向かなければ、6か月前に戻ってしまいます。」

もちろん、インフレは現在十分、1%以下であり、2015-16年までは2%に向けて戻らないと予想されます。

「持つ者と持たざる者」もあります。」ドイツの失業率は6.7%で彼らにすれば低いレベルです。一方、イタリアとスペインはまだ最高レベル付近にあります。(以下のチャート参照)

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ECBが「使えるあらゆる手段」を使い、さらに緩和を行うのであれば、多くが予想するEURUSDの売りが出てくるのでしょうか。   2013年11月に驚きの緩和で、EURUSDの価格は200ピップス下落し、その日に1.3295の安値に下落しました。しかし、その日に底打ちし、その時以来、それ以上に下がりませんでした。(以下のチャートを参照)緩和を行った2013年5月に、EURUSDはその後の数週間、5月21日の1.2796の安値、そして7月に1.27574で底打ちするまで下落しました。

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言うまでもなく、こうした2つの緩和(及び比較的強い米国の成長)があったのにも関わらず、EURUSDの価格は今、最初の緩和後に達した安値から7.8%高い状態です。高いユーロはデフレ圧力となり、ド・イ・ツという文字の国以外は生活が困難になります。そのため、結果を生む措置は常に、期待通りとなるわけではありません。要注意です。

4.NZDUSDは引き続き、引き締め策のメリットを受けるはず ニュージーランドはそのビッドを維持するはずですが、ある時点で市場は予想される緊縮によって引き起こされた減速を割り引いて受け止め始めるでしょう。それは第2四半期で起こらないと思われます。(例、NZDUSDはメリットを受けるはず)しかし、冬の凍結からの米国の堅調な回復により、特に2月の安値からの急騰後に本格的に起こる可能性があります。また、口先介入にもご注意ください。RBNZはさらに緊縮を行うかも知れませんが、通貨は高すぎるということも警告するでしょう。

5.オーストラリアは解決すべき中国と住宅の影響を受ける。 答えを見出すべきオーストラリアの疑問は、「中国経済が減速したら、オーストラリアに対して引き続きどのような影響を及ぼすのか。」ということです。市場は、自然資源業界への投資が減速するという考えに違和感を感じていませんでしたが、それは最後に安心させるものになるのでしょうか。また、「住宅ブームは十分に減速してしまうのでしょうか。」

6.カナダには何とかすべき冬の雪解けがあります。  米国が将来、カナダの原油への依存度を下げることになれば、カナダは問題を抱えるか もしれず、痛手を被らずに、住宅の減速に緩和を行う必要があります。プラスの側では、カナダは堅調な米国経済とその春の雪解けから恩恵を受けるはずです。

7.スイスのインフレ率は低すぎであり、スイスフランは高すぎる。 スイスは安全のための「退避」先にならないように集中しています。対ユーロのスイスフランの1.2000のシーリングは市場に受け入れられてきたけれども、EURCHFは未だに1.2200です。USDCHFはほぼEURUSDの後追いをしてきました。第2四半期も同じことを予想します。対米ドルドルのユーロと同様に、対米ドルのスイスフランは同じ動きとなります。

8.GBPUSDにおけるスクイズ GBPUSDのトレーダーはほぼ1.7000の価格の高さに驚いているのではと思われます。そしてそのレベルの前の上昇で売りが出ました。しかし、成長が順調に進み、住宅市場は引き続き進展し、インフレの開始を懸念する野であれば、GBPUSDを1.7000の上に達しないポイントでのショート派は圧迫されるかもしれません。

まとめ

第1四半期は終わりました。ストーリーは確定しました。第2四半期は、もう少しのトレンドを期待し、もう少し方向性のあるボラティリティ、そして値動きに対してもう少し信頼感を期待しつつも、新た難題をもたらされることになるはずです。   期待としては、天候、増税、中央銀行の政策そしてその他の要因(例、スキャンダルや規制)によって引き起こされた霧は部分的に晴れてきました。

6月末までの3か月と夏の始まりです。最大限生かしていきましょう。

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