8/29(Thu)為替ニュース&為替分析レポート(グレッグ先生)
クロス通貨ペアが横ばいであったり、変動が激しかったり、方向性に欠ける場合は、そのペアの通貨がUSDの動きに同調していることを意味しています。本日のEURJPYはまさにこのケースだといえます。上記のチャートのUSDの対EURの変化、ならびに対JPYの変化に注目してください。どちらも非常に似た変化になっています。対ERUではUSDが0.83%、対JPYではUSDが0.80% 強くなっています。この2つの数字に違いがある時は、EURJPYが純粋に計算上で上昇または下落している時です。
つまり、当然ながら、EURJPYは横ばいになっています。
値動きを違う角度から解説すると、トレーダーはUSDの値動きの方向に確信を持っていますが(少なくとも本日は)、EURJPYの次の動きには確信を持てないでいる状況です。テクニカル分析が示しているとおり、価格は8月12日の安値(130.18)からの値上がり幅の中間点付近にあることに注意が必要です。昨日、価格は61.8%(129.659)ならびに100日移動平均線を維持しました(129.861にある青い横線を参照)。上値では、レジスタンスになると見られる領域の下層に位置する130.55レベルで売りが入りました。市場は、今後の方向性を決めかねています。
では、どのような取引をすればいいのでしょうか?
市場が方向性を欠いている場合の最良の方法の一つとして考えられるのが、様子を見て、市場の次の動きを判断することです。これは、上値および下値レンジを決め、強気および弱気の双方に譲れない一線となる中間のレベルを策定し、これらのレベル付近でモメンタムのブレイクに注意しながら取引を行うことで実行できます。
私の場合、50%を譲れない一線とし、130.55-71 レベルを上値の領域その1とします。相場にまだ上昇する可能性があるとすれば、100および200時間移動平均線、130.86の下値トレンドラインが次の非常に重要なレベルとなるでしょう。
下値では、129.86レベルにある100日移動平均線、続いて129.659レベルが重要です。これらのレベルを下抜くと、さらなる下落につながる可能性があります。
8月は、伝統的に、株式市場にとってあまり良くない季節で、9月は群を抜いて最悪の月であるといえます。米ドルにとってこれは良いニュースであると思われるかもしれませんが、9月は、米ドル指数にとっては12月に続いて2番目に悪い月でもあります。他の通貨における9月の季節的なパターンをみてみましょう。
- USD/JPYは9月に低迷する傾向にあります。過去30年間の平均は0.9%の下落で、過去6年間のうち5年間は9月の相場が下落に終わっています。
- *9月はEUR/USDにとって2番目に良い月で、ユーロ導入後の平均上昇率は1%です。
- *伝統的に、GBP/USDは9月に横ばいになる傾向にあります。
- 過去30年間を振り返ると、AUD/USDでは、9月、10月、11月、12月が上位5位の月のうちの4つを占めています。
- *しかし、AUDにおいては、過去5年間にわたってこの季節的なパターンに12月を除いて当てはまっていません。
*9月は金にとって2番目に良い月で、過去30年間の平均上昇率は2.1%です。
ドイツの弱い雇用統計とインフレ率の低下に加え、米GDPが堅調な伸びを示したことで、本日のEURUSDは下落しました。EURUSDは現在110ピップス下げて1.3226になっています。一日の下げ幅としては、115ピップス下落した5月2日以来最大の下げ幅となっています。
8月の安値である1.3206 と1.2990 が主な支持線となっており、過去には、このレベルを試した後、急激に反発したことがあります。売りストップオーダーの基準となる1.3200/05領域で強い買いの動きがあるとみられています。
USDJPYはNY市場での上げ幅のほとんどを維持しました。100時間移動平均線(現在は98.008レベル)を上抜け、定着しています(上記の時間足チャートの青線を参照)。下記の5分足チャートを見ると、予想を上回るGDPを受けて上昇したものの、綾戻しで価格はチャネルのトレンドラインによるサポートを下抜けました。この観点からすれば、トレンドはいくらか減速しているといえるでしょう。しかしながら、5分足チャートの100本移動平均線(下記チャートの青線)によるサポートは維持されました。現在このレベルは98.18に位置しており、上昇に向かっています。
価格は現在、5分足チャート上のブレイクされたトレンドラインの上限を試しており、これを上抜けると、買い手がさらに優勢になるでしょう。しかし、5分足チャートおよび時間足チャートの100本移動平均線の上に引き続き定着できれば(今のところ定着している)、強気な相場が続く展開になるでしょう。
ロンドン市場ですでに売られていたEURUSDは、次に鍵を握る1.3228 レベルの下値ターゲットに向かって続落しました。これは、今年の取引レンジの50%にあたります(下記の日足チャートを参照)。下値は現在のところ1.32324に位置しています。このレベルを下抜けると、次にターゲットになるのが8月15日の下値である1.3204です。さらにこれも下抜けると、1.3107-77を意識する展開になるでしょう。1.3228の支持線の上で定着するには、1.3253を再び上抜ける必要があります。
金は5日間の50ドルの上昇の後に木曜日に11ドル下落しています。
昨日の上昇は6月高値の1224ドルを上回ったがそのラインを維持することができませんでした。そして 私はさらに押しが入ることを警告しました。 (そして自分のロングを決済しました)。私は1400ドル周辺でのもみ合いを探し続けています。
今日の弱さを考えると、さらに1385ドルに向けた下落もあり得ます。GDPの数字は金融緩和縮小の可能性を高め、オバマ大統領のシリア情勢へのコメントはさらに軍事行動を行うものではないが米国が限定的な軍事行動を行うことは明白です。
USDJPYは98.02レベルでの100時間移動平均の上に戻る
USDJPYは、米ドルの先導に従い、今日のトレーディングで上昇しました。価格は現在98.02レベルでの100時間移動平均(上記チャートにおける青線)と8月23日の高値から昨日達した(97.98での)安値への下落の50%の上で動きました。上昇するルピーは本日JPYから安全な退避場所の流れとなっていたかもしれません。また、昨日の印象的な上昇はトレーダーが反転するシグナルでした。97.98-98.02の上に留まれば今日、強気派が主導権を握ったままとなります。これは今、砂上の主要サポートラインです。
今日の継続する上昇では、98.255レベルの上での動き(同じ下落の61.8%)は98.75での4か月のトレーディングレンジの50%での主要な上側のレジスタンス及び100日移動平均と98.90と99.02レベルそれぞれに対するトレンドラインレジスタンスに向けたドアを開きます。(上記日足チャートを参照)
全体としては、このペアはトップと安値の半分づつに分けている100日移動平均で4月以来、所定の位置にあったトレーディングレンジに閉じ込められたままです。トレーディングレンジの環境で、主要レベルへの注目と偏りに柔軟的に対応することがカギとなります。価格は上昇します。それは下落します。主要なテクニカルなレベルに注目し、それに寄り掛かってください。それが維持されれは、良いことです。そうでなければ、手仕舞い、モーメンタムを探してください。
EURUSDは本日、急落しました。弱いドイツの雇用データに支援されましたが、このペアはすでに下落とちゅでした。下落は1.3312-16エリア、そして1.3292-1.3300エリアの以前のサポートレベルの下に一気に行くことができました。(これらは、市場が過去のサポート/レジスタンスレベルとして利用されるエリアです。)安値では、価格は直近安値からトレンドラインの下に動きました。そのトレンドラインは実際は8月14日に破られましたが、動きはすぐにはねつけられましたので、私はそのラインの完全性を維持し、今日のトレーディングにおいて市場は同じことを行っています。これまでの下落はサポートとして今機能している1.3253 での現在のレベルで拒否されました。今日のトレーディングにおいてイントラデイのヒントを与えてくれるこのレベルを探してください。 下落の動きは1.3232レベルを待っており、それは7月15日の安値から1.32218での8月の高値の上昇の50%で続いています。
日足チャートを見ると、価格の下落は価格が頂点と付けた5月1日の高値だった1.3242レベルでも停滞していました。このレベルを保持することは、今日のサポートレベルとしてそのレベルの重要性を増すことになります。この下の1.3170-77エリアに来るもみ合いのエリアのトップを覚えておいてください。我々は、過去のこの重要なエリアからそれほど離れていません。
イントラデイの5分足チャートは、下へのブレイクからの下落の鈍化を示しています。トレンドラインレジスタンスはトップ側で破られ、売却疲れの可能性を示しています。1.3279に向けた調整と下落する100バー移動平均(以下のチャートの青線)は調整での売りが予想されるれべるであろうと思われます。(以下のチャートを参照)
EURUSDはこの日急落し、日足のレンジは各通貨のモーメンタムも示しています。EURUSDの日足のレンジは直近の1ケ月の平均よりも高い101ピップスです。USDCHFは本日、平均を超えている(多かれ少なかれ、平均に等しい)他の通貨ペアです。他の通貨ペアは今日はボラティリティが高くない状態です。
この日の対USDの変化。USDは、CHFとJPYに対しては最大の上昇となり、ほとんどの通貨に対して高い状態です。GBPはEURGBPが下落し、出遅れています。弱いドイツの失業データでユーロはプレッシャーにさらされています。